投稿日:2016年10月15日 更新日:

imouto

 

妹が小学校低学年のときです。宿題で創作物語を作文しました。いやがるのを無理矢理取り上げ読むと、それはこんな書き出しでした。

「ある家に3人ぼっちの家族が住んでいました」

当時の実家は祖父祖母も健在で、さらに叔母も同居していた時代を知る妹は、きっと3人だけで暮らすというのはとても寂しいものに違いないと思っていたのでしょう。僕はわざと大きな声で笑い「3人に『ぼっち』なんてつけないぞ」とはやし立てました。一瞬困ったような顔をした彼女は、急いで消しゴムを使い「3人の家族」に直しました。

いまでは立派なおばさんですが、そのことを思い出すたびに可愛くてしかたがありません。

小学6年生になった妹は、聡明でやさしく、クラスメイトからの信頼も篤い児童でした。担任は、僕も習ったことのある大好きだった若い男先生。あれは2学期の成績表だったか、親への通信欄に「お兄さんより優秀」と書かれました。母からそれを告げられ、どうせウソだろと思いながら開き、頭がボーっとなった思い出があります。その場に妹はいませんでしたが、きっと痛快だったしょう。しかしそれについて彼女が触れたことはこれまで一度もありません。僕だったら、どうだとばかりにきっと自慢したはずです。なるほど先生はよく知っていた。

親父ががんで入退院を繰り返していた頃、何も知らない僕は家に寄り付きませんでした。もともと折り合いのよろしくない関係でしたから、仕事と自分の家庭のことしか考えていませんでした。しかし、いよいよ容体が悪くなり、ようやく僕の耳にも届きます。慌てて死の淵にある父を見舞いました。そのとき妹は泣いて僕に訴えたのでした。
「父に止められ、黙っていた」「一人で隠しているのが、とても辛かった」と。

僕たちは2人ぼっちの兄妹です。いまは離れ離れに住んでいます。

 

 

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