そらより

おもしろいと、かわいいと、おいしいと、うれしい。

心に積もった話を捨てに行く

      2016/10/28

2016年2月の言葉

猫シルエット

 

母の妹の友人に、ご主人と理容業を営む方がいます。実家が理容業だったため、若い頃から資格を取り、手伝っていました。そのうち理容業の男性との縁談が持ち込まれ、彼女は彼のお店へと移りました。もう数十年、その仕事を続けているベテランです。

母の妹はその女性に誘われ、半年に一度ほどのペースで東京に遊びに行くそうです。家からターミナル駅まで車で30分。さらに東京まで電車で2時間。ちょっとそこまで、の距離ではありません。でも、どこを見物する、何を買う、といった目的があるわけでもない。ただ電車に揺られ、思いついたところで降り、お昼を食べて帰ってくるのです。

 

車窓イメージ

 

いったい何のために、そんなことをするのでしょう。その女性はあるとき母の妹にこう語ったそうです。「心に積もった話を、ときどき捨てに行かないといけない」と。

田舎の理容店とはいえ、お客様にはいろいろな方がいらしゃいます。髪を切り整える間、それぞれが、それなりの出来事や思いを語っていく。それが彼女の心に積もり、苦しめる。さまざまな声が飛び交い、うるさくてしかたないと漏らしたそうです。他人の手垢で汚れてしまった心を洗い清めるために、普段とは異なる世界に身を置く必要があったのですね。

人はいろいろな手段を使い、日常のどうしようないことと本来あるべき自分とのバランスを取ろうとします。そらよりにとってのそれは何でしょう。いま、このブログがその役を担いつつある気がします。

 

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