「想ふこと在りて」 一覧

こころに浮かぶよしなしごとを、指先に当たるキーに任せ書いています。少しの間、おつきあいいただければ、幸いです。「今月の言葉」は2016年10月を最後に終了しています。

torishima

小説「漂流/吉村昭」の44年後鳥島でジョン万次郎が見たものは

2018/6/28    

私的体験 実家のある海沿いの集落から平坦地を1キロほど陸側に入ったところに、その坂道はあります。小高い丘の取りつきの斜面に沿って刻まれた道は曲がりくねり、四つの折り返しを経て、 ...

leftlightgame

1歳10ヵ月の孫娘に、おじいちゃんは育てられる

2018/6/17    

幼な子には、この世界が善意で満ちていることを教えるべきなのか、それとも悪意の存在を教えておくべきなのか、ふと悩みました。     昨日、1歳10ヵ月になる孫 ...

goro

熱唱する小学生たちはみんな彼に憧れていた

2018/5/27    

Yは小学校低学年からの友人です。彼は快活で、声が大きく、下校時はいつも僕らの先頭を歩いていました。気弱な僕は、1年生のはじめの頃、よくYにいじめられ泣いて帰ったものです。 ある ...

whiteout01

白い花の幻想が白人ヘイトに結びついてしまったInstagramのある投稿

2018/5/24    

5月、休耕田の草刈りのため実家に帰り、Instagramに載せたい写真をいくつか撮ってきました。 写真が好きといっても一眼を持っているわけではありません。何を見て、何を感じ、何 ...

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dontaskmyname

微笑む祖母に僕の名前をきかないで

2018/3/31    

祖母は脳梗塞で倒れ、その後およそ7年間、介護施設で過ごしました。当時、僕は30歳代前半で、遠く離れた場所で仕事をしていました。   Photo by Gabriela ...

no image

子育ては、迷惑ですか?

2018/2/23  

鳩に愛を注ぐ男 息子が歩けるようになったころのことです。ふたりで大きな公園に遊びにいきました。まだ動物がめずらしくエサをついばむ鳩たちを追いかけよろこんでいました。するとすぐそ ...

yobina

失った父の呼び名

2018/2/4  

  息子が、1歳5ヵ月の娘に「お父さん、お母さん」と呼ばせると決めました。 多くの親が迎える決断の一つ。僕らも息子に、そのように呼んでもらったので、わかるような気がし ...

blade-runner-2049

飢えし者には芸術でも与えておけ――ブレードランナー2049に贈る讃として

2017/11/12    

  飢えし者には芸術でも与えておけ さらば一瞥ののち貪り食らうであろう   * Matt Howard   平日の午前、新宿で「ブレードランナー2 ...

chukanabe

あなたは中華鍋をどこまで洗いますか?

2017/11/12  

  お宅では中華鍋をどこまで洗っていますか? 先日、クレンザーをつけタワシでごしごしやっていると、わがつれあいが「そんなに洗わないで」と顔をしかめました。理由をたずね ...

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kazuoishiguro

カズオ・イシグロの2冊と僕が子ども時代を語る理由

2017/10/11    

僕はカズオ・イシグロの本を2冊しか読んでいません。「日の名残り」と「わたしを離さないで」です。しかし、彼の小説家としての動機は、作品をとおして僕の心を揺さぶり、僕が子どものころ ...

shokupan

食パンの、美味しい想い出

2017/10/8    

子どものころ、家は農家で、田植えや稲刈りの時分にはお昼ごはんをつくる暇がなくなります。するとよくお店から買ってきたパンが用意されました。     たのしみだ ...

murasakikatabami01

夫婦の価値観の相違と、それを認めあうということ

2017/6/1    

  なぜか小さな花に惹かれます。だから庭の草取りをしても小さな花を咲かせる雑草を抜き取ってしまうのが忍びない。 いつか野生のスミレ草ばかりを残していたら、それを好物と ...

tanetsukebana

種漬花

2017/4/3    

  地植えの水仙を鉢に植え替えて数年。南向きの花台のいちばん日当たりのよい場所に置かれた鉢は、期待に反し、今年も葉ばかりで花は一輪しか咲きませんでした。それもすでに枯 ...

kumatorisunooyatsu

絵本の想い出 01|きいちごぽちんぽちん「くまとりすの おやつ」

2017/3/23    

  子どもたちへの絵本の読み聞かせは、おもに僕が担当していました。「もう寝なさい」と母に告げられると、最後のあがきとして呼ばれ、2段ベッドでのお話タイムが始まります。 ...

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woodcarving01

ヘタクソを味と信じて作ってみた、ちょっといびつな木の器

2017/3/22    

  小さいときから絵を描くのが好きで、実家の古い柱にいたずら書きをしては怒られたものです。あれはたしか5歳の節句のときです。母親があちこち描いて困ると客前でこぼしたの ...

desire_rain

僕の些細な欲望は、社会を疲弊させている

2017/3/6  

  きょう東京は昼頃から雨になるという予報だった。歩いて行って途中で降られるのはかなわないので、9時過ぎには家を出て、税務署に向かった。     ...

KASPARHAUSER01

たった一つの質問で嘘つきが見抜ける方法

2017/2/6  

  これは映画「カスパー・ハウザーの謎」の1シーンから材を得たものです。重要なシーンなので、ぜひ観たいという方は読むのをここでお止めください。 映画は19世紀初頭に発 ...

ume

とかくむずかしい人づきあい。先に負ける大切さを学びました

2017/1/31    

  じつは実家でご近所トラブルに発展しそうなことを抱えていました。 一昨年の夏、お盆を控えたお墓掃除であわや民家に類焼しかねない失火を出された方がいました。掃き集めた ...

tsubaki

赤い椿の咲くみちは

2017/1/6    

  小学生の頃、学校は丘を一つ越えた反対側にあり、児童は雑木の覆い茂った細い農道を通学路としていました。朝は集団登校なのでへっちゃらなのですが、放課後遅くなってしまっ ...

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syohjonoyohnahaha

横転した車のなかで母は少女のように笑っていた

2016/12/30    

  雪の農道をゆっくり走る軽トラック。運転していたのは父。隣には母がいた。田んぼの中の1本道。車1台がやっと通れる幅しかない。雪が降るなんて年に1、2回あるかないかの ...

sunset-beach

トワイライト -月と太陽が出逢うとき-

2016/11/4    

          月は言った 「あなたはずっと眩しかった その眩しさが憎いときもありました でも一人残されるのが こわくて、 ...

imouto

2016/10/15    

  妹が小学校低学年のときです。宿題で創作物語を作文しました。いやがるのを無理矢理取り上げ読むと、それはこんな書き出しでした。 「ある家に3人ぼっちの家族が住んでいま ...

kinmokusei

金木犀の香りが嫌い

2016/10/1    

2016年10月の言葉   DVを受けていた彼女は、離婚調停を申し立てました。その結果、なぜか幼い子どもたちの親権は夫に。身の回りのわずかな品を手に、家族と住んでいた ...

今月の言葉アイキャッチ250

俺たちのアニキ、の名前

2016/9/11  

2016年9月の言葉   東京オリンピック直前の夏、僕は祖母の実家にいました。ささいなことですが繰り返し再生される記憶があります。 スイカを口いっぱいに頬張った僕は、 ...

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sagiconbi

新米詐欺コンビの不出来な芝居

2016/8/7    

  土曜の午後リビングでうつらうつらとテレビを観ていると、近所を訪ねるセールスらしき声が外から聞こえる。そのうちこっちにもやってくるなと思っていたら案の定ピンポ~ン。 ...

noyobare

野よばれ

2016/7/27    

  大叔父は、背が高く、笑顔を絶やさない男だった。10人兄弟の一番上が僕の祖母で、すぐ下の弟が大叔父だった。農業に篤い親は戦時中にお国から勲章をいただいている。それな ...

yohsei

夭逝

2016/7/26    

  深い雑木林の坂道をつらつら登った頂上に、その火葬場はある。老朽化して何度か建て替えの話はあったが、周辺への新たな補償問題などが障害となり、立ち消えとなっていた。煤 ...

bus

マリアと仏像

2016/7/26    

  その子は路線バスで幼稚園に通っていた。 農業・漁業以外にこれといった産業もないひなびた田舎町に専用の送迎バスなど望むべくもない。園児は首から定期券をぶら下げ、大人 ...

sobonohimitsu

祖母の秘密

2016/7/25    

  幼い頃、祖母は「ある場所」によく連れて行ってくれた。 バスに1時間ほど揺られた先の、終点にある、栄えた街。今はすっかり寂れてしまったが、当時は駅前に大きな車庫型の ...

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niwaki

ある植木職人の結婚

2016/7/22  

生真面目な植木職人がいた。夜明け前に仕事を始め、手元が見えなくなるまで枝を挟んだ。 早朝、家の者が寝ていると大きな声で怒鳴った。 「お~い、起きろお。いつまで寝てやがんだあ」 ...

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