「想ふこと在りて」 一覧

こころに浮かぶよしなしごとを、指先に当たるキーに任せ書いています。少しの間、おつきあいいただければ、幸いです。「今月の言葉」は2016年10月を最後に終了しています。

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blade-runner-2049

飢えし者には芸術でも与えておけ

  さらば一瞥ののち、貪り食らうであろう   * Matt Howard   平日の午前、新宿で「ブレードランナー2049」を観てきました。伝聞のとおり劇場はがらがらで、 ...

chukanabe

あなたは中華鍋をどこまで洗いますか?

  お宅では中華鍋をどこまで洗っていますか? 先日、クレンザーをつけタワシでごしごしやっていると、わがつれあいが「そんなに洗わないで」と顔をしかめました。理由をたずねると「料理の食材がこびり ...

kazuoishiguro

カズオ・イシグロの2冊と僕が子ども時代を語る理由

僕はカズオ・イシグロの本を2冊しか読んでいません。「日の名残り」と「わたしを離さないで」です。しかし、彼の小説家としての動機は、作品をとおして僕の心を揺さぶり、僕が子どものころの郷愁を言葉に残す出発点 ...

shokupan

食パンの、美味しい想い出

子どものころ、家は農家で、田植えや稲刈りの時分にはお昼ごはんをつくる暇がなくなります。するとよくお店から買ってきたパンが用意されました。     たのしみだったのがサンドイッチでし ...

murasakikatabami01

夫婦の価値観の相違と、それを認めあうということ

  なぜか小さな花に惹かれます。だから庭の草取りをしても小さな花を咲かせる雑草を抜き取ってしまうのが忍びない。 いつか野生のスミレ草ばかりを残していたら、それを好物とする蛾が卵を産み付け、庭 ...

tanetsukebana

種漬花

  地植えの水仙を鉢に植え替えて数年。南向きの花台のいちばん日当たりのよい場所に置かれた鉢は、期待に反し、今年も葉ばかりで花は一輪しか咲きませんでした。それもすでに枯れ、文字通り葉のみとなっ ...

kumatorisunooyatsu

絵本の想い出 01|きいちごぽちんぽちん「くまとりすの おやつ」

  子どもたちへの絵本の読み聞かせは、おもに僕が担当していました。「もう寝なさい」と母に告げられると、最後のあがきとして呼ばれ、2段ベッドでのお話タイムが始まります。絵本だけでなく、僕が子ど ...

woodcarving01

ヘタクソを味と信じて作ってみた、ちょっといびつな木の器

  小さいときから絵を描くのが好きで、実家の古い柱にいたずら書きをしては怒られたものです。あれはたしか5歳の節句のときです。母親があちこち描いて困ると客前でこぼしたのでしょう。招かれていた祖 ...

desire_rain

僕の些細な欲望は、社会を疲弊させている

  きょう東京は昼頃から雨になるという予報だった。歩いて行って途中で降られるのはかなわないので、9時過ぎには家を出て、税務署に向かった。     この時期は年末の会社の決 ...

KASPARHAUSER01

たった一つの質問で嘘つきが見抜ける方法

  これは映画「カスパー・ハウザーの謎」の1シーンから材を得たものです。重要なシーンなので、ぜひ観たいという方は読むのをここでお止めください。 映画は19世紀初頭に発見された謎の青年の物語で ...

ume

とかくむずかしい人づきあい。先に負ける大切さを学びました

  じつは実家でご近所トラブルに発展しそうなことを抱えていました。 一昨年の夏、お盆を控えたお墓掃除であわや民家に類焼しかねない失火を出された方がいました。掃き集めた枯れ葉を燃やしたところ、 ...

tsubaki

赤い椿の咲くみちは

  小学生の頃、学校は丘を一つ越えた反対側にあり、児童は雑木の覆い茂った細い農道を通学路としていました。朝は集団登校なのでへっちゃらなのですが、放課後遅くなってしまってからの下校はちょっと恐 ...

syohjonoyohnahaha

横転した車のなかで母は少女のように笑っていた

  雪の農道をゆっくり走る軽トラック。運転していたのは父。隣には母がいた。田んぼの中の1本道。車1台がやっと通れる幅しかない。雪が降るなんて年に1、2回あるかないかの土地だ。慎重であったはず ...

sunset-beach

トワイライト -月と太陽が出逢うとき-

          月は言った 「あなたはずっと眩しかった その眩しさが憎いときもありました でも一人残されるのが こわくて、くやしくて 意地であなた ...

imouto

  妹が小学校低学年のときです。宿題で創作物語を作文しました。いやがるのを無理矢理取り上げ読むと、それはこんな書き出しでした。 「ある家に3人ぼっちの家族が住んでいました」 当時の実家は祖父 ...

josiyugu

理系入試での「女子優遇」を大学側はなぜ「多様性」として抗弁しないのか

  先に態度を明確にしておきます。僕は「女子優遇」制度に賛成です。問題は「科学界の多様性」を社会に提言すべき教育界にありながら、その絶好の機会を得ているはずの大学側が明確なメッセージを出さず ...

kinmokusei

金木犀の香りが嫌い

2016年10月の言葉   DVを受けていた彼女は、離婚調停を申し立てました。その結果、なぜか幼い子どもたちの親権は夫に。身の回りのわずかな品を手に、家族と住んでいた社宅を出た日。生垣の金木 ...

今月の言葉アイキャッチ250

俺たちのアニキ、の名前

2016年9月の言葉   東京オリンピック直前の夏、僕は祖母の実家にいました。ささいなことですが繰り返し再生される記憶があります。 スイカを口いっぱいに頬張った僕は、座敷を走って横切り、きれ ...

sagiconbi

新米詐欺コンビの不出来な芝居

  土曜の午後リビングでうつらうつらとテレビを観ていると、近所を訪ねるセールスらしき声が外から聞こえる。そのうちこっちにもやってくるなと思っていたら案の定ピンポ~ン。重い腰を上げインターホン ...

noyobare

野よばれ

  大叔父は、背が高く、笑顔を絶やさない男だった。10人兄弟の一番上が僕の祖母で、すぐ下の弟が大叔父だった。農業に篤い親は戦時中にお国から勲章をいただいている。それなりの家のお坊ちゃんだった ...

yohsei

夭逝

  深い雑木林の坂道をつらつら登った頂上に、その火葬場はある。老朽化して何度か建て替えの話はあったが、周辺への新たな補償問題などが障害となり、立ち消えとなっていた。煤けたコンクリートの小さな ...

bus

マリアと仏像

  その子は路線バスで幼稚園に通っていた。 農業・漁業以外にこれといった産業もないひなびた田舎町に専用の送迎バスなど望むべくもない。園児は首から定期券をぶら下げ、大人たちといっしょに街まで通 ...

sobonohimitsu

祖母の秘密

  幼い頃、祖母は「ある場所」によく連れて行ってくれた。 バスに1時間ほど揺られた先の、終点にある、栄えた街。今はすっかり寂れてしまったが、当時は駅前に大きな車庫型のバスターミナルがあり、目 ...

niwaki

ある植木職人の結婚

生真面目な植木職人がいた。夜明け前に仕事を始め、手元が見えなくなるまで枝を挟んだ。 早朝、家の者が寝ていると大きな声で怒鳴った。 「お~い、起きろお。いつまで寝てやがんだあ」 しばらくするとパチン、パ ...

ボンネットバス

母の里帰り

母の実家は山里の長閑な場所にありました。 代々半農半漁で生計を立てていた僕の生家は海のそばにあり、住人の気性は荒い。血筋のバランスを考慮したのか、嫁は比較的おっとりした人の多い山方から迎えられました。 ...

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