柿の固さについてはさまざまな好みがあるようです。
僕は中心部がややジェル状になったくらいのやわらかさが好きですが、わがつれあいはあごが痛くなるほど固いものがよいと主張します。
さて先日、八百屋さんから4個入りのパックを購入してきたつれあいが「あああああ~」と嘆息の声をあげました。すわ何事か、とキッチンに駆け寄ると「柿がやわらかい」とうなだれています。
見れば熟し切った赤橙色。小太りな僕の拳のようにぷっくりし、指で押すとプニョプニョです。
「どうしてこんなの売ってたんだろう?」
つれあいには売れ残り品に思えたようで、お気に入りの八百屋さんだけにショックな様子。
「こういう商品なんじゃないの?」
僕は4個すべてがほぼ自分のものになることを確信し、うすら笑みを浮かべ答えたのでした。
そして今日のお昼。食後のおやつに出されたのが、この柿でした。
まるでグレープフルーツのようにまっぷたつ!これまで見たことのない柿の断面があらわになっています。
「スプーンで食べてね」とつれあいはとっさの発明にご機嫌のようす。
なるほど水平に切ったら、カップに入ったゼリーではないですか。もちのろん果汁100%で果肉入り。いや果肉ぜんぶ。これは食べやすい!
こうしたやわらかく熟しすぎた柿は皮をむくのがたいへんです。これまではそのままかぶりつくというのが僕の食べ方でした。でもあふれる汁で手や口はべたべた。食べたあと必ず洗面所に行かなくてはなりませんでした。
でもこれならとってもスマート。あますところなく果肉をすくいとれます。マリーアントワネットだってトレビアンとスプーン片手に微笑むことでしょう。
やわかい柿好きのみなさん。もしこの食べ方をまだご存じなかったら、ぜひお試しください。ただの柿が見てたのしい、味わっておいしい、素敵なデザートタイムを演出してくれますよ。
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