確定申告と伝票仕訳:未入金の原稿料の支払調書が届き源泉徴収税額が2段書きなら「未払預け金」処理を

投稿日:2017年2月23日 更新日:

一般的な源泉徴収税額(預け金)の処理

フリーランスのライターやデザイナー、イラストレーターなどが確定申告でよく悩まされるのが原稿料の源泉徴収税額(預け金)の処理だと思います。

多くの方が発生主義で帳簿をつけていることでしょう。

たとえば12月に10万8000円(消費税8%を含む)の請求書を発送した場合、以下のような仕訳で振替伝票を起こします。※ここでは消費税免税事業者(課税売上高1000万円以下)のケースでお話ししています。

 

当期処理

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借方に売掛金を、そして貸方に売上高をたてます。この売掛金10万8000円は翌期に繰り越されます。

 

翌期処理

そしてたとえば翌期の2月に源泉徴収税額が差し引かれて普通預金に振込入金された場合、以下のような仕訳となります。

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1行目は普通預金に売掛金が入金されたことを、
2行目は普通預金から源泉徴収税額(預け金)を相手方に支払った(差し引かれた)ことを
それぞれ意味しています。

2段目の預け金の金額は売掛金10万8000円に10%の源泉税と0.21%の復興特別所得税を乗じた金額です。

この預け金は翌期の確定申告での還付対象となります。

なお消費税課税前の金額(この場合10万円)から源泉してもよいとされているので、その場合は預け金の金額は1万210円となります。

またここでは銀行振込手数料が差し引かれた場合も想定しています。振込手数料は3行目に「支払手数料」という科目で計上します。

これが一般的な流れでしょう。

 

こんな支払調書が届いたら?

しかし12月に請求し、当期内に入金されていないにも関わらず支払調書が送付され源泉徴収税額が記載されているケースがあります。そこには2段書きでたとえばつぎのように記されているはずです。

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これはどのように処理したらよいでしょう。

 

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2段書きの意味

2段書きの場合のそれぞれの数字の意味をまず理解しましょう。

一般に上の段は「内」書きと呼び未払いの金額を表しています。そして下の段が年間総額となります。

この支払調書の場合、年間総額そのものがまるまる未払いの金額となっています。

 

2段書きの源泉所得税(預け金)の処理

請求書を12月に発生した段階ですでにつぎの処理を行っているはずです。

 

当期処理

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借方に売掛金が、そして貸方に売上高がたっています。これは上記の支払調書の上段の「内」書き、すなわち未払いの金額です。

このままでは支払調書に記載された源泉徴収税額6126円が帳簿に反映されず、預け金の総額が他社も含めた支払調書の総計(確定申告書に添付しなくてはならない「所得の内訳書」)と一致しません。

そこで12月31日付かあるいは決算処理として、つぎの振替伝票を起こします。

 

当期処理

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借方に預け金を、貸方に未払預け金をたてます。当期の預け金として計上するけど、まだ所得税は支払って(源泉徴収されて)いませんよ、と記しておくわけです。

なお6126円は消費税課税前の請求金額6万円に所得税10.21%を乗じた金額です。こちらの会社はそうした方針で源泉事務を行っています。

この処理を行ったあとの期末の貸借対照表をチェックしてみましょう。

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資産の部のその他の流動資産に未払預け金の項目がたちました。残高はマイナス表示となっています。

 

税務署からは未払預け金が除かれて還付

この未払預け金は、当期の確定申告では還付対象から外されます。

たとえばさまざまな経費から当期の所得がゼロとなり、預け金の総額が50万円あった場合、通常ならその50万円をまるまる還付請求できますが、未払預け金があった場合、その金額は還付されません。つまり今回のケースなら未払預け金6126円を差し引いた49万3874円が還付されるというわけです。

では、今回の未払預け金6126円はどのように還付請求したらよいのでしょう。

 

未払預け金が実際に徴収されたら

たとえば翌期の2月に支払いが実行されたとします。その場合の振替伝票はつぎのようになります。

 

翌期処理

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売掛金6万4800円が普通預金に入金されました。
普通預金から未払預け金6126円を支払い(源泉徴収され)ました。

そしてここがとても重要です。税務署に未払預け金を支払ったことを報告する必要があります。

 

「源泉徴収税額の納付届出書」をダウンロード

確定申告をした未払預け金にかかる売掛金が実際に支払われ、かつ源泉徴収された場合はすみやかに「源泉徴収税額の納付届出書」を提出しましょう。受理されれば、前期の預け金の残額が還付されます。

まずこちらの国税庁サイトから「源泉徴収税額の納付届出書」をダウンロードします。ファイルはPDFです。

 icon-arrow-down ダウンロードサイト

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/6498.pdf

 

届出書は以下のように記入します。

mibaraiazuke09

①所轄の税務署
②住所、氏名、電話番号、捺印
③確定申告で計上した未払預け金の額
④源泉徴収された額
⑤売掛金の支払われた期日。もし源泉徴収された期日と異なる場合は、上段の括弧内に実際に源泉徴収された期日を記入します
⑥支払・源泉徴収を行った相手先の住所と名称
⑦未払預け金の額のうち、まだ徴収されていない額があれば差額を記入します
⑧還付を希望する金融機関を記入

この書類を税務署窓口に、あるいは郵送で提出します。

控えがほしい場合は同一のものを2部作成し、左上に受付印をもらいましょう。郵送の場合は、返信用封筒に宛名(自分)書き、切手を貼付し同封します。

なお届出書への手書きが面倒な方は、テンプレート化し、定型部分を毎年流用できる方法があります。PDFファイルを画像化→ワード文書に図形として挿入→テキスト挿入でかんたんに作成できるのでご活用ください。つぎのページで解説しています。

PDF文書への上書きをきれいにプリントしたいなら画像でWordに挿入するのがおススメ

 

以上「未入金の原稿料の支払調書が届き源泉徴収税額が2段書きなら『未払預け金』処理を」でした。ちょっとめんどうですが、ここは節税のためぜひ実施したい処理です。

 


 

 icon-bookmark おススメ会計ソフト

そらよりは法人と個人事業で「わくわく財務会計2スタンダード」を併用してきました(会社のほうは前期のみ「ニコラ会計」)。申告は国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用するから、必要な書類がはじき出せる機能がそろっていればよい、よけいな分析機能などいらない、という方にはとても使いやすいソフトだと思います。というか、事実激しく満足しています。また不動産所得にも対応しているので便利。自分の会社と連れ合いの個人事業に家賃請求をしているのですが、住宅ローン金利や建物の減価償却費、固定資産税などから経費として参入できる分を割り出し、節税に役立てています。近々パソコンをWindows10マシンに買い替える予定なので、その際10対応の「わくわく財務会計3」にバージョンアップする予定です。

将来、法人成りを予定していない方は個人事業専用の「わくわく青色申告3」でも、よいかもしれません。

 

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ピクシス情報技術研究所
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  クラウドサービスを試してみたいという方には、やはり人気のFreeeでしょうね。

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昭和半ば生まれのおじさんです。妻と娘と猫と金魚と東京西部にひっそり暮らしています。息子夫婦に孫娘ちゃんもいます。「くらしとこころにそらより」うるおいを降り注ぐ記事をめざしています。

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