静かな湖畔の森の影から、もうここには誰もいないと幻がささやく

投稿日:2016年2月18日 更新日:

 

突然迷い込んでしまった夢の中の風景のようです。ハンガリーの首都ブダベストから5km弱ほどの郊外にある町Szödligetでアマチュア写真家Viktor Egyedは偶然この廃墟を発見しました。

 

Viktor Egyed 01

▲出典:Viktor Egyed Behance

 

きっと口を開け、目を見張ったことでしょう。恐る恐る足を踏み出し、この不思議な佇まいを確かめようとしたでしょう。何かいけない場所に来てしまったあの感じ。たとえば野山を歩いていると、茂みを抜ける曲がり路にふと嫌な予感がよぎることがあります。なぜかはわかりませんが、見えない向こうに、これ以上近付いてはならないと本能が教えます。彼も最初はそんな畏怖を覚えたに違いありません。

 

Viktor Egyed 02

 ▲出典:Viktor Egyed Behance

 

写真を紹介する「COLOSSAL」では、この場所を「漁村」と表現しています。また写真家は「魚釣り湖」と説明しています。一つひとつの小屋が住居にしてはあまりに小さいため、恐らく集落は別の場所にあり、ここは漁具の置き場だったものと思われます。

さざ波さえ立っていないことから、沼ほどの大きさなのかもしれません。それぞれの小屋の前で、漁師が釣糸を垂れていたのか。あまりに牧歌的な風景が目に浮かび、別の宇宙のことのように思えます。あるいは畔に小舟をもやい、沖の漁場に漕ぎだして行ったのでしょうか。いずれにしろ何らかの原因で漁獲高が激減し、漁をする者が誰もいなくなり、やがてうち捨てられてしまいました。

 

Viktor Egyed 03

▲出典:Viktor Egyed Behance

 

しかし、なんと妖しく美しい眺めでしょう。水面にシンメトリーに映る世界は、精霊の棲家か。かつての漁民がふと姿を現しそうです。アーティストのセルフプロモーションサイト“Behance”で、この世界を堪能することができます。

 


Viktor Egyed04
Viktor Egyed Behance

 

 

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sunnydayfunny

昭和半ば生まれのおじさんです。妻と娘と猫と金魚と東京西部にひっそり暮らしています。息子夫婦に孫娘ちゃんもいます。「くらしとこころにそらより」うるおいを降り注ぐ記事をめざしています。

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