日陰で生育の悪い古い柿の木を植え替えてみた

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実家の菜園の隣りに数本の柿の木があります。すべて甘柿で毎年美味しい実りを提供してくれます。
背が高くならないよう、冬には脚立をかけ、枝を詰めるようにしているのですが、それでも手の回らない木が残ってしまいます。
本格的に庭木の面倒を見るようになったここ数年、気になる木がありました。
同じ柿の、木と木の間の日陰で1本だけ成長が取り残されているのです。

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祖父はどうにも貧乏性で植木を込み合った状態で植えてしまう癖がありました。成長するにつれ風通しが悪くなり、生育に影響を及ぼすことがしばしばです。
この柿の木もまさにそんな植木のひとつでした。

幹の途中に太いこぶができ、年季の入ったものであることが伺えます。ただこのまま放置していてはいずれ枯れてしまうに違いありません。
ならば、と今回、新築した母屋の隣りに移植してみることにしました。

柿の植え付け・植え替えは一般に11月~3月とされています。しかしいまはもう5月。今年の実りはあきらめることにして、なんとか根付いてくれまいか、の一心でチャレンジしてみることにしました。

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掘り出そうとすると幾本もの太い根が

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幹から30cmほど離れた位置にスコップを差し込みました。幹がそれほど太くはないので根の張りもたいしたことはなだろうとタカを括っていました。

掘り始めるとすぐにスコップが止まってしまいました。太さ1cmから2cmの太い根があちこちに延びていたのです。事前のネット調査では横根はほとんどないという情報がありましたが、そんなことはありませんでした。横根だらけです。

素人ひとりの作業なので掘る幅を広げるにも限界があります。そこでエイヤっとばかりに植木ばさみで根を切ることにしました。

切ったところから反対側に倒し、順次倒れる角度を広げていきます。そして最後に幹の底に延びた根を手探りで切りました。

大切な土がすべてはがれてしまう

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20~30分の格闘の末、完全に掘り出せたのはよいのですが、何度も傾けた結果、大切な根周りの土がすべてはがれてしまいました。

やや粘土質でありながら幹に近い部分の土でも剥がれ落ちてしまったことから栄養の大部分が太く伸びた根の先端から取り込まれていたものと思われます。

しかしここまで来たら、もう後には引けません。イチかバチか、この木の生命力に託してみることにしました。

掘り出した木の下に陶器の破片が

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柿の木の移植を決断する前に先述のとおりネットで情報を集めました。そのなかにたいへん参考になるサイトがありました。

■柿の移植 at 平井園 四季あれこれ

柿の移植 | 平井園 四季あれこれ
西東京市 造園業 平井園のブログ

こちらによると柿の木を移植する際は根の下に「瓦の欠片」を入れるとよい、用土に「藁灰」を混ぜるとよい、とのこと。どちらも年配の職人からの助言だそうです。

そういえば、この木を掘り出した際、底を確かめるとわずか1片でしたが陶器の破片と丸い小石が数個ありました。どうやらこれを植えたうちの祖父は御まじないの一種と思い込んでいたようです。

さきほどのサイトによると瓦の破片を入れるのは「水はけが改善されて根腐れなどを防ぎ、生育が良くなるから」とのことでした。

また「藁灰」は有機肥料としての栄養面、用土の若干のアルカリ化に効果が期待できるようです。

後述となりますが、僕もこの2点を実践してみることにしました。

移植先に大きめの穴を掘る

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新築した母屋の西側、壁からおよそ4mほどの場所に直径60cm、深さ80cmほどの穴を掘りました。幹から30cmの位置で掘り出したため太い根がほぼ直径60cmの大きさで付いています。また有機肥料をたっぷり入れてやろうと思い、この大きさにしました。

この場所は南西向きの2階建ての住居の陰ですが、5月のこの時期、午前10時ごろからは日がたっぷり当たります。

土質は関東南部のやや黄色味を帯びたローム層の赤土です。ただ古民家の母屋を解体した際、壁土をよせばよかったのに無知とは怖いもので残置したため、乾燥するととても堅い粘土質の表土が10cmほど覆っています。樹木を新しく植える際はこの壁土部分を掘った穴の大きさの分取り除いています。

萱の腐葉土を敷き中間に陶器の破片を

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掘った穴の一番下に萱の腐葉土を敷き、足で踏み固めました。

古民家を解体した際、かや葺の屋根から大量の萱が出ました。これを肥料として活用するため積んでおいたものの下の方が雨で腐り、ちょうどよい肥料となっています。茎が堅めであるため通気性も悪くありません。

この上に梅干を漬ける陶器のカメが余っていたので金づちで割り、敷きました。

そしてさらに萱の腐葉土を下土として載せています。

藁灰の代わりに萱灰を

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先述のサイトのノウハウを取り入れ藁灰の代わりに萱灰を作っておきました。

稲作はとっくの昔、父の代でやめているため藁は家にありません。代わりに野積みした萱がたくさんある。この乾いた部分を焼き灰にしました。

栄養成分は若干異なるでしょうが、似たような効き目が期待できるに違いありません。

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一輪車の台の上に萱の腐葉土、萱の灰、もともとの土であるやや黄色味を帯びたローム層の赤土を積み、そこに腐葉土の分解を助けるようりんを一握り降り、よくかき混ぜました。

この土づくりは素人である僕のチャレンジなので、みなさんはプロの方のノウハウをネットでお調べいただくとよろしいかと思います。

根の隙間にしっかり用土を押し込み移植

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用土が出来上がったのでいよいよ柿の木を新しい場所に植え込みます。

今回根の周りの土がすべてそげ落ちてしまったので、太い根の間が隙間だらけです。植え込む際はこの隙間に用土がしっかり入るよう手で丁寧に押し込んでやる必要があります。

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根の部分が用土でしっかり埋まりました。ここでたっぷり水を与えます。底のほうまで届くよう20リットルくらい注ぎました。

赤土を被せ棒による支えをつけて完成

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作成した用土が足りなくなったので、もともとの土である黄色味を帯びた赤土を表面に被せました。

幹が横に延び不安定なため、園芸用の棒で支えをつけました。これで多少風が当たっても倒れる心配はありません。

柿の木の移植はこれで完成です。さて、うまく根付いてくれますかどうか。今後にどうぞご期待ください。(いや、ほんとに育ってちょうだい)

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