耐火レンガを積むだけのかんたんピザ窯&バーベキューコンロを作ってみた

ピザ窯作りくらす
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使用するたびに組み立て解体の簡易型

自宅の庭でピザやバーベキューがたのしめるように窯(コンロ)を作りました。

当初は普通の赤レンガでやろうとしましたが、耐久性や破片の飛び散りによる事故防止のため、どうやら耐火レンガのほうがよいらしい。また耐火レンガでも屋外に放置しておくと雨水が染みこみ水蒸気爆発を起こす場合があるらしい。それを防ぐには屋根をつけるか、グラスウールや耐熱コンクリートなどで覆う必要があり、相当本格的な窯(コンロ)を作らなくてはならないらしい。ネットで調べるといろいろ注意すべき点がわかりました。

僕の希望はなるべく手間と費用をかけずかんたんなものにすることです。そこで組み立て時は耐火レンガを積むだけ、使用後は解体してしまっておける簡易型の窯(コンロ)を作成することにしました。作業の負担をなるべく少なくするため使用する耐火レンガは最少数であることが求められます。

今回はそんな条件のもとピザ窯関連のYouTube動画の中ではほぼベストと思われる「コト製造所」さんの【ただただ積むだけ。「ピザ窯作り」ー初心者が庭で本格ピザを作るー】を参考に、さらにおいしいピザが焼けるよう、さらにバーベキューも楽しめるよう、ちょっとアレンジを加えて作成してみました。

材料費は合計たったの13,018円

まず今回のピザ窯&バーベキューコンロの材料を説明しておきます。お手軽さを追求したので驚くような金額が実現できました。

耐火レンガ 42個

画像の耐火レンガは40個、スチールLアングルは切り出し済

先に挙げたYouTube動画では「SK32」を使用しています。かっこいいし品質は折り紙付きだし人気の商品ですが、少々お高い。近所のホームセンターでは1個338円(税込)で販売されていました。

そこでもっと安い耐火レンガはないかとネットで調べると、ありました。コメリの「耐火ブリックヤードレンガ」ならなんと1個198円(税込)です。

こちらの耐火レンガの耐火温度は約1200℃。「バーベキューコンロに使える」と明記されています。ちなみに「SK32」は1250~1300度までが推奨使用温度。若干低いとはいえ十分使用に耐えるでしょう。サイズは約230×115×65mm。「ハンドメイドの為、サイズに誤差」があるとのことですが実際に積み上げてみて支障をきたすことはありませんでした。重量は約3.8㎏。合計40個購入しましたが、普段乗りの小型乗用車で問題なく運べる重さです。

※この記事では実際より2個多い42個で試算しています。トップのバーベキューコンロ部分をより安定させるにはそのほうがよいと思い追加しておきました。

コメリ商品コード:10782596
JANコード:4920501063525

198円/個×42個=8316円(税込)…①

スチールLアングル 1500mm×4本

耐火レンガを積むために支えとなるスチールのL字型の棒が必要となります。コメリで「TRUSCO L型アングル30mm角 1500L ネオグレー」を取り寄せ注文にて購入しました。
サイズは3×30×30mm。1本約69mmが8本(4本×2段)必要となるので1500㎜のものを4本購入し切断して使用。8本切り出すのに約100分と少々時間はかかりますが金ノコがあれば自分でできます。

コメリ商品コード:12226071
JANコード:4989999748772

895円/本×4本=3580円(税込)…②

コンクリートブロック 6個

一般的なコンクリートブロックを台座として6個使用します。今回わが家には買い置きがあったのでそれを用いました。もしコメリで購入するなら「ブロック C-12 コーナー」がおすすめです。片側が平面の切り落としとなっており、組み上げたときのデザイン性に優れます。こちらのサイズは390×120×190mm。重量は1個11.1kgです。

コメリ商品コード:10155373
JANコード:0400101553731

187円/個×6個=1122円(税込)…③

おさらいすると
耐火レンガ 42個 =8316円(税込)…①
スチールLアングル 1500mm×4本=3580円(税込)…②
コンクリートブロック 6個=1122円(税込)…③

①+②+③=13,018円

となります。

組み立てと解体の手間がその都度かかる(それぞれ20分ほど))とはいえ、たったこれだけの出費でピザ窯&バーベキューコンロができちゃうんですから、ほんとお手軽です。

なおわが家にはピザを窯から出し入れするキットがなかったのでAmazonで別途購入しました。冒頭でご紹介したYouTube動画ではアルミホイルの上にピザ生地を載せ窯の中に入れていましたが、このキットを使用すると格段に手早く確実に美味しいピザが焼けるのでおすすめです。とくに「ピザストーン」は大活躍でした。

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これで材料はすべてそろいました。さっそくピザ窯&バーベキューコンロの組み立てといきたいところですが、まずは2つ、準備作業が必要です。そちらを先にご説明しておきましょう。

準備作業

準備作業[1]コンクリートブロックを設置する

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ピザ窯&バーベキューコンロを設置する場所を決めたら、先にコンクリートブロックを設置しておきましょう。

画像のように左右に横2段、それぞれの奥に縦1個を置きます。その横幅はコンクリートブロックの左右外側で計測し耐火レンガの短辺6個分=今回は690mmとなります。このサイズは耐火レンガによって異なります。必ず購入した6個を一度並べ実際に計測し確かめた上でコンクリートブロックを設置するようにしてください。

今回は耐火レンガを積み上げるだけのものです。その台座としてコンクリートブロックを用いるので、安定性を保つため、トップが水平となるように組まなくてはなりません。毎回この作業をするのは面倒なのでコンクリートブロックは一度組み上げたらそのまま何度も使用します。

わが家には水平器がありますが、お手元にない場合、スマホのアプリでも可能です。

kiwishelf10
水平器がおうちにない方はアプリという手も。

準備作業[2]スチールLアングルを切り出す

スチールLアングルはコンクリートブロックの台座に対し画像のように渡します

耐火レンガの短辺6個分=今回は690mmのスチールLアングルを1段につき4本、これが2段分で合計8本切り出しておく必要があります。こちらも耐火レンガによってサイズが異なるため、必ず購入した6個を一度並べ実際に計測し確かめた上で切断するようにしてください。

なおL字の形状をしているため金ノコを使用しての切断にはコツがいります。まずL字の一面だけに歯を当て完全に切り離された状態になるようにします。こうしておけばもう一つの面は最後まで切断しなくても途中で折り曲げるだけで比較的かんたんに切断できます。ただこのとき空洞によって金属の幅が狭くなっている場合はより丁寧に切れ目を入れておくようにしましょう。そうしないと折り曲げる際にその部分だけ曲がってしまう恐れがあります。

耐火レンガを組み上げる

さて、準備が整ったら、いよいよピザ窯&バーベキューコンロの組み立てです。耐火レンガに火力を用いる場合は水蒸気爆発を防ぐため水に濡れないようにしておくことが大切です。雨や夜露を避けるため、できればピザやバーベキューをする直前に組むようにしましょう。

耐火レンガを運び出す

耐火レンガ01

耐火レンガは普段は物置の庇の下など雨に濡れにくい場所に保管しておきます。これを作業用一輪車でピザ窯&バーベキューコンロを設置する場所まで運び出します。1個が約3.8kgですから1回につき10個から11個=40㎏前後に小分けにして運ぶとよいでしょう。

コンクリートブロックにアングルを渡す

ブロックとアングル

まずピザ窯を作成。耐火レンガの1段目を並べるためコンクリートブロックにスチールL字アングルを4本渡します。中央が背中合わせになるようにしてください。

1段目に耐火レンガを12個並べる

画像のように耐火レンガを並べます。中央にアングル2個分の隙間が生じますが、問題ありません。

耐火レンガの壁を2段組む

画像のように耐火レンガの壁を2段分組みます。

手前がピザの出し入れ口となります。奥が通気口。ここが今回の工夫のポイント。冒頭で紹介したYouTubeでは出し入れ口の正面に通気口がありました。しかしそれでは左半分に空気が届かず十分な燃焼が得られません。またピザをしっかり焼くための熱気溜まりも形成されにくい状態です。そこで左奥に通気口を移動することで燃焼効率を上げ、さらにピザの上に熱気を溜める工夫をしました。

実際に大きな効果を発揮し、よりかんたんに美味しいピザが焼けるようになりました。また後ろの通気口から追加の燃木を挿入できるようになり、より手軽に火力を上げることができるようになりました。

ピザ窯の天井&バーベキューコンロのベースを並べる

耐火レンガ4段目
ピザ窯&バーベキューコンロ、正面から

もう一度1段目と同様にスチールLアングルを4本並べ耐火レンガを敷き詰めます。これがピザ窯の天井となります。そしてその上面は同時にバーベキューコンロのベースとなります。ここで新たに火を焚き、左右に耐火レンガを2個並べることで網や鉄板、櫛を置くことができるようになります。より安定した状態を保つには耐火レンガを4個並べるようにしてもよいでしょう。

ピザ窯内部
ピザ窯の内部。ピザの出し入れ口と通気口が対角線上に配置されているため燃焼効率がアップし熱気溜まりが形成しやすくなっているのがわかります
ピザ窯後ろ
ピザ窯&バーベキューコンロ、背面から

これでピザ窯&バーベキューコンロは完成です。ホラね。ほんとうにかんたんでしょ。

ピザ窯に火を入れる

ではさっそくピザを焼いてみましょう。

おき火ができるまで燃やす

まず窯の中を十分に熱する必要があります。

ピザ窯燃焼

最初は1時間近く火を燃やし内部を高温にし、さらにおき火を作ります。このおき火がピザを焼くのにとても大切な役目を果たします。

燃木は普段からこまめにストック

ピザ窯の中を十分に熱するには燃木をそれなりに消費します。

そのため僕は普段の庭の植木や雑木林の手入れなどから小枝をストックするようにしています。画像は倉庫の裏の軒下スペース。こうした小枝を束ねるのもそれなりの作業時間を要します。

太い材木も必要で薪割りも行います。

ピザを焼く

窯の中が十分に熱せられおき火ができたら、いよいよピザを焼きます。

画像は妻による手作りピザ。生地は強力粉とドライイーストのみで練ったものだそうです。ピザサーバーの直径は26cmほど。大人二人でこれが2枚あれば十分満腹です。

ピザサーバーに小麦粉をたっぷり降り掛けピザがスムーズに滑っていくようにしておきます。

おき火

ピザ窯はまず燃えている木を左側に寄せ、おき火だけにします。

その上にピザストーンを置きます。これには火ばさみ(トング)や耐熱手袋などがあるとよいでしょう。なおこの際ピザストーンが濡れていないことを確認。もし濡れていると割れてしまう恐れがあります。おき火と上からの火でピザストーンが十分に熱せられるのを待ちます。

ピザ入れ

5分ほど放置し頃合いを見計らったところでピザサーバーを使いピザを差し入れます。生地の焦げ具合や表面のチーズの沸騰具合などを見ながらピザサーバーやピザピール(へら)などを使いピザがむらなく焼けるよう回転します。

ピザを焼く方法としておき火をすべて取り去り耐火レンガだけの状態にし、そこにピザを置くのが一般的です。しかしそれでは1枚目を焼いた段階で床面の熱が下がり、2枚目がうまく焼けなくなる恐れがあります。また燃木が重なった状態で床面が十分に熱せられていないこともあり得ます。

おき火を残し、ピザストーンを焼くことでそれらの不具合を避けるのが今回の工夫です。

ピザ窯燃木を追加

後ろの通気口をピザの出し入れ口と対角線上に開けたおかげでピザストーンを焼いている途中でかんたんに燃木が追加できるようになりました。火力の調節にこれがとても便利でした。

今回はピザ窯だけの使用です。バーベキューコンロとして使用はまた追って画像を追加する予定です。

後片付け

今回のピザ窯&バーベキューコンロは使用するたびに組み立て解体する簡易型です。使用し終えたら、熱が冷めるのを待ち、耐火レンガ部分を解体撤去します。

画像は解体途中。灰や炭がそれなりに残ります。こちらはほうきと塵取りですくい集め、土壌の通気や浄化、ph中和剤として庭づくりに活用します。

台座のコンクリートブロックはそのまま残します。次回はまたここにスチールLアングルを渡し耐火レンガを組み上げます。

地面も掃いて、後片付け完了。

保管

片付けた耐火レンガは雨の当たらない倉庫の軒下に保管しておくことにしました。この際注意したいのが接地面の湿気対策。コンクリート床とはいえそのまま置くと内部に湿気が溜まりやすくなります。そこで角材などで下に空洞を作っておきましょう。自然乾燥によい効果が期待できます。

さて、次はいつ設置しましょうか。これが目に入るたびにわくわくするのでそれだけでもチャレンジした甲斐があります。

まとめ

1.ピザ窯は耐火レンガを使うこと
2.水蒸気爆発を防ぐためかんたんに解体撤去できる簡易型に
3.ピザ窯を作るならバーベキューコンロもすぐできる
4.最小数の耐火レンガで作業効率アップ
5.通気口の位置は燃焼効率と熱気溜まりをよく考えて
6.ピザストーンを有効活用

これらに注意すれば、誰でも手軽に美味しくできるピザ窯&バーベキューコンロができるはず。あなたもぜひチャレンジしてみてください。

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