精霊馬の脚はなんで作る?お供えする意味って?田舎の実家はみんなとちょっとちがった!

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お盆の8月14日、田舎のわが実家では午後にきゅうりとなすの精霊馬(精霊牛)を作り、お供えします。

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精霊馬の脚はなんで作る?

現代は割り箸を折って差し、脚にするようですが、わが家では旧来ながら「おがら」を用います。
「おがら」とは乾燥した麻の茎で、田舎では地元経営のスーパーで仏花束などのコーナーに置かれ200円(税別)ほどで販売されています。
一般に「おがら」は精霊馬の脚のほかお盆の迎え火・送り火に用いられるようですが、わが家では迎え火・送り火は提灯で墓所の近くまで出かけるため使用せず、脚のほかは主に仏膳の箸として折って使っています。
ちなみにお供えした食べ物や箸は仏前の下に用意した大きなハスの葉に捨てていました。冒頭の画像では膳が小ぶりなものですが、古い母屋に住んでいたころは仏壇の前が広い座敷になっており、それなりに大きな朱塗りの木製テーブルが仏具を置く台となっていました。笹にほおずきに五色の紙垂など仏壇飾りも昔ながらのものでした。

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精霊馬をお供えする意味は?

また精霊馬をお供えする意味ですが、世間では「あの世から早く来ていただくための脚の速いきゅうりの馬、ゆっくり帰っていただくための牛のなす」が一般的なようです。しかし僕が子どもの頃に年寄りから教えられ、ずっと信じ実施してきたのは定番の意味とは異なるちょっとたのしいものでした。
それは14日の午後には天国の市場に行き15日までのひと晩ゆっくりたのしんできていただくための馬と牛というものです。
早く行くための馬はそのままですが、牛はお土産をたくさん持ち帰って来ていただくためという意味を持っています。
ここで冒頭の画像をご確認ください。馬と牛の仏壇側に白いご飯が供えられています。これは市場に持参していただくための「お弁当」です。天国の市場にはたくさんのご馳走が用意されているのでご飯だけ持っていけばよいのです。
これをお供えする前のお昼にはそうめんと茹で野菜(本来はえんどう、今年はキャベツ)の味噌和え(味噌に砂糖を少しだけプラス)を上げていました。
ご飯が2膳用意されているのは、高い方がわが家の仏様用、低い方が無縁仏用です。迎え火でいっしょについてきてしまった無縁仏にも施しを忘れない先祖代々の気働きの継承です。

たぶん日本の田舎では地方によって、さらに家々によって、独自の風習に基づいたお盆の作法が存在するでしょう。ご自身の生まれ故郷のお盆の風景を思い起こすことも供養のひとつかもしれませんね。

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