田舎のご近所の家族葬 弔問や香典はどうする?

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一般に家族葬の場合、弔問や香典は控えるべきとされているようです。
しかしこれは都会的な発想で、田舎の集落におけるご先祖様にまで遡る古くからのお付き合いに照らし合わせるとなかなか難しいものがあります。
人口比率でもわかるように近年は高齢の方の葬儀が少なくありません。となると生前のご本人のご意思、あるいは喪主の判断により、葬儀はごく身内でというケースも増えています。
最近我が実家の集落においても2週続けての家族葬が発生しました。
コミュニティでは生活改善の一環として葬儀の弔問や香典のルールが定められています。しかし家族葬については特段の取り決めがなされていないのが実情です。そのためご近所付き合いのある家々は対応に苦慮しました。
ただ2回の経験からひとつの方向性が見えて来たので、なんらかのご参考になればと思いシェアします。

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家族葬なのに斎場からの葬儀日程の案内通知?

我が実家の集落は6つの班に分かれ、親類を除き、同班で葬儀が発生した場合のみ弔問・香典を行う取り決めとなっています。班長は喪主からの連絡を受け、通夜、出棺、葬儀の日時を班内の各戸に連絡します。
今般1回目の葬儀では、班長が斎場のチラシを各戸に配布しました。
じつはこれが大きな混乱を生み出す結果となりました。
そこには通常の葬儀と同じように通夜、出棺、葬儀の日時と会場の地図が記されていたのです。家族葬なのにまるで通夜への弔問を受け付けているような印象を与えてしまいました。
念のため斎場に電話確認すると、斎場入り口で通夜のご焼香・香典を受け付けていると言うのです。じつはこれは電話を取った担当者の思い違いで、喪主宅に追って斎場での受付は一切ないと訂正の連絡があったのですが、そうした不慣れな斎場の気遣いの不備が不明瞭なチラシの配布につながってしまったようです。

弔問・香典にさまざまな意見が噴出

チラシが回った直後、親しくさせていただいているご近所のお母さんから電話が入ります。弔問・香典はどうする?と。
長い期間都会暮らしだった僕はネットで調べ「家族葬なので弔問・香典は控える」と回答しました。電話口の向こうでも、あちらの息子さんのご意見は同じでした。
ここでいったん電話を切りましたが、数分後に再度お母さんから電話が。
「同じ班の〇〇さんと〇〇さんは香典を持ち、ご自宅に弔問に伺う。なぜなら同じ班であるし、以前に香典をいただいているから」と話します。班内の他のお宅にも電話して確認したようです。
お母さんは「行かないとそれが前例となってしまう」からと田舎特有の発想で「いっしょに行こう」と誘います。
そのためお母さんのご意向を尊重し、翌日通夜を行う前の昼間に香典(通常の葬儀と同様取り決められた3000円)を持ち、ご自宅に伺うことにしました。

※Twitterでは「弔問・香典は控える」と報告しました。その後、上述のとおり変更が生じました。

班内各戸の対応はまちまち

お母さんの指定した時刻に連れ立ち喪主のご自宅に伺うと、すでに班内のいくつかのお宅の代表者が弔問に訪れていました。平日の午後早い時間であったため僕より年上の年配の女性ばかりでした。
しかし後日判明したのですが、弔問・香典を行わないお宅、弔問のみのお宅もありました。
ちなみに当日は新型コロナの緊急事態宣言が発出されている最中でした。全員マスクをしていたのは確かですが「密」であったのは間違いありません。

家族葬の香典は喪主に余計な手間が

香典を持ち弔問に伺った翌々日、本葬を終えた喪主がわざわざ返礼品を携えわが家にやってきました。
手に持つのは1包のみ。1戸1戸に届けては戻り、の手間暇でした。
喪主は小中の同級生だったため、家族葬なのにいらぬことをしてかえって面倒なことをさせてしまいすまなかったと正直に詫びました。
なんのための家族葬なのか、田舎のお付き合いの不明に抗うことができなかった自分を恥じる格好となりました。

2回目は喪主から明瞭なメッセージが

さてそれから数日後の翌週、同じ班内で別のお宅からご不幸が発生しました。
前週同様、亡くなられたのは高齢のお母さんで、家族葬が執り行われました。
ただ今回はその通知方法に大きな違いがありました。
1.同じ斎場のはずですが、チラシの配布はありません。そのため通夜、出棺、葬儀の日時はわからない。つまり出席不要ということです。
2.喪主からの伝言として「香典は固くご辞退いたします」が告げられました。

さらに今回の喪主は前述の「弔問のみのお宅」であったこともみなさんの判断材料となりました。
「香典はなし。ご自宅への弔問のみ」で喪主への失礼は発生しないことが確定したのです。
件のご近所のお母さんから早速電話が入り、翌日の弔問時刻が告げられました。当日は前回同様のお宅の顔ぶれが揃いました。
そして「密」は同じく避けることができませんでした。前回もお茶などいただくことなく、ご焼香の後すぐさま退出しました。ただ今回は弔問のお礼として各自にペットボトルのお茶が喪主より手渡されました。ささやかではありますがやさしい気遣いです。

家族葬のご近所の対応についての方向性

ご近所の2回の家族葬で、なんとなく今後の方向性が定まったような気がします。
それは
●香典は無し
●弔問は最期のお別れをしたい方のみご自宅に
●新型コロナ対策である「密」を避けるためご焼香に家に上がるのはお一人ずつ

というものです。
いつになるかわかりませんが、今後班の寄り合いがあった際に提議・決議しましょうと件のご近所のお母さんと申し合わせました。
本来ならばご遺族のお手間を省くため家族葬は弔問・香典を控えるべきというのは変わりありません。しかしお付き合いの長い田舎では急に取りやめるという訳にもいかないのが実情です。そのためこの3ヵ条が次善の策となればいいなと思っています。
みなさんの地域でも、機会があれば、この件についてご近所同士話し合われておいた方がよいでしょう。わが班ではドタバタしましたが、よい勉強になったのは間違いありません。

 

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