子ども時代の冷や味噌汁に原因が
初めて宮崎県の冷や汁を食べたとき、ちょうどよい塩味と深いダシ味、キュウリの歯ごたえをとても美味しく感じたものでした。
ご飯に冷たい汁を掛けて食べる、という作法にどこか抵抗感があったのですが、冷や汁だけはご馳走のカテゴリーとして記憶されています。
では、なぜ冷やし茶漬けはダメだったのでしょう。
子どものころ家は半農半漁で繁忙期のお昼は冷や飯に朝の残りの冷や味噌汁という日がよくありました。これに飽き飽きしていた僕は、おかげでガスコンロの火の点け方とインスタントラーメンの作り方を覚えたほどです。
冷やし茶漬けはどこかこの「冷え残り味噌汁ご飯」に通じるものがありました。つまり本当は温かいものを冷たいまま食べるという「貧しさ」に抵抗を感じていたのです。
酷暑に「冷やし」の魅力が覚醒する
しかし連日のこの酷暑。2018年の東京は7月22日現在もう10日間も気温が35度辺りをうろついています。それ故お昼ごはんといえばそうめんか冷やしうどんか冷やし蕎麦か冷し中華。さすがに麺類も飽きてきました。
そんな折り、ふと頭をよぎったのが関取の遠藤さんでした。
そう。永谷園のお茶漬け。ボウルの氷水を豪快に茶碗にぶっかけてすする、あのCMです。
この暑さに、いや、やってみない手はないな!とようやく僕の鈍い脳が目を覚ましチャレンジしてみることにしました。
お茶漬け海苔に梅干しひとつ
うちに常備してあるのはベーシックな「お茶漬け海苔」です。
ちょうど冷蔵庫に百均セリアの「楽ちんパック」で保存したご飯があったので、これを1パック(ちょうどお茶碗ひとり分)どんぶりに空け、そこに塩味のプラスと弱りかけた胃腸に元気を与えるため梅干しを1個トッピング。お茶漬けの素を1袋振りかけ、冷蔵庫で冷やした水を注ぎ、出来上がりです。
スルっと入り、さっぱり感が胃袋へ
食べてみて、あ、なるほどと思ったのが、すぐ掻き込めること。熱いお湯のお茶漬けは最初のひと口が火傷しそうでうまくすすれません。しかし冷たいお茶漬けならスルっと入る。これは食が進みます。
あれほど抵抗があった「冷え残り味噌汁ご飯」感もここまでくれば覚悟が決まっているので雲散霧消。冷や汁の美味しさをほうふつとさせる塩味と旨味、そしてさっぱり感がよろこびとなって口から胃袋へと流れていきます。
なんだ、もっと早くやってみればよかった! 病みつきになる美味しさでした。
冷やし専用の商品も
ここで永谷園さんに提案しようと思ったのが「冷やし茶漬けの素」。しかしよくよく調べてみると2017年にすでに「冷やし塩すだち茶づけ」という季節限定商品が発売されていたのですね。
そして今夏の遠藤さんのCM中に「お茶漬け海苔」がカットインされていたので気づきませんでしたが、最後に「冷やし麦茶づけ」という商品も新登場と告知されていました。
消費者の目から徐々に鱗をはがし始めた永谷園さんの遠謀深慮に感服です。
でも従来の「お茶漬け海苔」でも十分美味しかったですよ。お家にストックのある方は、ぜひ今日のお昼に! バテ気味の今夏こそおすすめです。
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