暴落する農地

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買い手が年々消えていく

農地の価格が暴落しています。

僕の実家は人口5万人ちょっとの街と里山が混在した平凡な風景の場所にあります。周辺の市街化調整区域で、10年ほど前に1反(991.74平米)につき100万円で買い漁っているブローカーがいると聞き驚いたものですが、最近では1反20万円代で売買されているそうです。

理由はかんたんです。買い手がいないから。

農地は原則、農家にしか売れません。あるいは開発申請をし地目の変更が認められれば農家以外に売ることが可能となります。しかし後者の手段は個人ではなかなかハードルが高い。 農家は年々減少する一方で、手放したくても手放せないのが実情です。

 

相続人の憂鬱

市街化調整区域の農地ならば固定資産税もたかがしれているのだから、無理に売らずに保有していればよいではないか、とおっしゃる方がいるかもしれません。 人里離れた農地ならば、それでよいでしょう。しかし市街化区域と隣接する場所では事は単純ではないのです。

問題は休耕地の荒廃です。田であれば、放置しておくと数ヵ月でカヤが生え、アレルギーをもたらすブタクサが繁茂し、ついには背丈を超えるガマで覆い尽くされてしまいます。冬に火のついたタバコをポイ捨てされ燃え上がり、近隣の住宅に燃え移ったら損害賠償は必至でしょう。それを防ぐための草刈りの手間がたいへんなのです。

それではほかの農家に貸すという手はどうでしょう。1反2反程度の狭い農地では本格的な営農者や農業法人は借りてくれません。飛び飛びの耕作では効率が悪く採算が取れないからです。

農業を営むわけでもなく相続してしまった都会の者は、こうした休耕地を整理(売却)しないかぎり、故郷にしばられたままとなります。人口が減り夫婦で2軒以上の家を保有する時代。土地の管理は老境を迎えた僕の頭痛の種となっています。

 

安く売れても税務調査の標的に

問題はそればかりではありません。安く売ったら売ったで今度は税務署に目をつけられることになります。

先日中学校の同級生から電話がありました。彼女の実家がうちの休耕田を購入したいというのです。サンドする形で2筆の所有地があり、中間にうちの土地がある。手に入れれば地形がよくなるという目論見のようです。その場で快諾したところ、後日お断りの電話がありました。近所で同様の売買があり、あまりに低価格のため不正を疑われ税務調査が入ったとのこと。痛くもない腹を探られ、別件でごっそり持っていかれたそうです。真意は定かではありませんが「ご迷惑をおかけしたくない」というのが撤回の理由でした。

税収確保のため署員にはノルマが課せられるというのは知られた話です。会社を経営していたころ税務調査の際、顧問税理士のアドバイスで早々にお引き取りいただくため頑なに否認せず「お土産」の意味で一部の修正申告に応じたことがありました。たぶんいま税務署はキャンペーン中なのでしょう。

 

知らん顔の休耕田

さて、そんなこんなの世知辛い風を受けながら、先週もお盆前の実家の休耕田の草刈りに行って参ったわけですが、近くの里山ではカッコウがさえずり、井戸からは冷たい水がこんこんと湧き出る、圧倒的な長閑さで、わが家の農地はそこに鎮座ましましておりました。

「( 息子に相続の手間をかける前に)俺に処分できるかね」

夏の灼熱の炎がその舌先でペロリと僕の腕をなめました。

 

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