わが家では飼猫の栄養バランスとお通じのために毎朝猫草を与えています。
基本的に朝はヒルズの「サイエンス・ダイエット」と猫缶、夕はドライタイプの個包の総合栄養食を与えており、猫草がなくても取り立てて問題はないと思うのですが、やはり「新鮮なお野菜」を添えたいのが親心。
彼女もそれが大のお気に入りで毎朝僕を起こしに来ます。窓際でまず僕の指からむしった猫草をいただいて、いっしょにキッチン横の食事場所まで歩いていき、僕に背中をひと撫でされてから、カラカラを食べ始めるのが習慣です。
猫草は種を購入し鉢植えで育てています。すでに生えそろったものを買ってくるより経済的に無駄が少ないですからね。でも寒い季節は栽培が少しむずかしいのが難点。そこで今回は僕の冬の猫草栽培術をシェアしたいと思います。
冬の猫草栽培の問題点
まずなぜ寒い季節の猫草栽培がむずかしいのか、問題点を整理します。
露地では土が凍ってしまう
僕は東京西部に住んでいます。温暖化傾向とはいえ、厳寒期には睡蓮鉢に氷が張り、プランターには霜柱が立ちます。
そんな気候の露地に猫草の種を蒔いたばかりの濡れた土の鉢を置いておくと、間違いなく朝方凍ってしまいます。
これでは芽が出るわけがありません。
発芽までに時間がかかる
冬は凍えた外気を避けるため室内に鉢を移すことになるわけですが、それでも窓際に置けば、発芽までにおよそ2週間、夏季の倍の時間がかかります。
猫草を絶やさないようにするためつねに育苗途中のストックを用意しておく必要があります。
室内ではカビや雑菌が生じやすい
室内に濡れた土の鉢を置くと暖房の影響で表面にカビが繁殖することがあります。またせっかく発芽しても雑菌が付着し根元から茶色く枯れてしまうケースも。そのため土の殺菌には充分注意を払う必要があります。
冬の猫草栽培で用意するもの
前章の問題の対策として、僕はつぎにご紹介するものを猫草栽培に用いています。
みっつの植木鉢
夏場は鉢はふたつあれば十分です。ひと鉢を食べ終わる頃にはつぎの鉢が生えそろいますからね。でも発芽までに時間のかかる冬場は最低3鉢は必要となります。
僕は直径15cmの5号鉢を使っています。素材はプラスチック製。素焼きの鉢のほうが通気性がよくカビも生えにくいと思い試してみたことがありますが、効果を感じられなかったので使い勝手のよいプラスチック製が定番です。
上の画像はみっつの鉢のローテーションを示したものです。
左が種蒔きからおよそ17日後、発芽から3日目の状態。餌として利用できるのは種蒔きからおよそ3週間です。まだ早いので、もう4日ほど生育を見守ります。
中央が種蒔きからおよそ4週間。十分に生育してから1週間ほど餌として利用したものです。
右が種蒔きからおよそ6週間。十分に生育してから3週間ほど、中央の鉢と並行し餌として利用したものです。そろそろつぎの種蒔きを始めたいころです。
種蒔きのサイクルを整理するとおよそつぎのようになります。
ひとつの鉢の種蒔きからおよそ17日後(発芽から3日後)につぎの鉢の種蒔きのタイミングが訪れます。あくまで目安ですが、このようなサイクルでみっつの鉢を回していきます。
木酢液ととうがらし
カビ・雑菌・防虫対策として木酢液(もくさくえき)ととうがらしの混合希釈液を地面に噴霧しています。竹酢液のほうが殺菌効果が高いとされていますが、手に入りにくいので木酢液を使用しています。
木酢液はホームセンターやスーパーの園芸コーナーで販売されています。
水で薄めて使用するタイプで根本に噴霧します。殺菌だけでなく植物が丈夫に育つ効果があります。
自然農法ではダニ予防にトウガラシ液を用いるのだそうです。そこで防虫効果を期待して刻んだトウガラシを少々希釈液に混ぜています。
鉢の表面に噴霧するのが目的なので規定より少し濃い目に希釈液を作成しています。500mlボトルの水で5ml~20mlの木酢液を希釈(100倍~25倍)し、トウガラシ3刻み分ほどを投入。1週間ほど馴染ませたものを使用します。
出来上がった希釈液は、種を蒔き水を与えた直後と1週間後に十分噴霧します。
日照条件などの都合でカビが発生しやすい場合は水やりの前に十分噴霧し、その後水の浸透力を利用し内部まで希釈液を染み込ませます
この希釈液はほかの観葉植物の鉢にも噴霧して使用できます。またクワズイモの葉の裏に発生したカイガラムシやカビを拭き取るのにも効果的です。ティッシュをこの希釈液で十分に湿らせ用います。拭き取ったあと、葉の裏にひと吹きしておけばさらに効果が期待できます。
鉢植え栽培の実際の手順
実際の鉢植えの手順をご説明します。
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猫草の種を用意します。ペットショップやスーパー・ホームセンターなどのペット用品コーナーで購入可能です。酸化や湿気に弱いので袋にジッパーのついているものがおすすめです。
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土は花壇のものをローテーションで使っています。植込みの間にスペースを作り、そこに使用済の用土を捨て、再利用する仕組みです。
現在はこのスペースから土を掘っています。
こちらは土を再生中のスペース。肥料が混ぜ込まれています。
こちらは用土廃棄のためのスペース。
使用済の土を空け…
ハンドスコップで平らにならしておきます。
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空いた鉢に花壇から土を移し、種を均一に蒔きます。
1cmほどの厚さで軽く土を振りかけます。このときハンドスコップや手で土を押し固めないよう注意してください。発芽の際、固まった土が蓋となり生育を阻害することがあります。
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上からやさしく水を掛けます。勢いが強すぎると下の種が掘り起こされ浮いてしまうので注意しましょう。
ジョウロの散水キャップをなくしてしまったので、僕は手のひらでいったん受けて衝撃を減らしています。鉢の底から水があふれ出るまで注ぎます。水が吸収される過程で土が適度に締まります。
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鉢の底にトレイを敷き、室内に移します。窓際の半日蔭でストーブやエアコンの暖気がなるべく当たらない場所がベストです。当初、暗室がよいと思い納戸に置いたことがありましたが、冷気のせいかなかなか発芽せず心配しました。10分間でも日光を当てることで適度な温度となり発芽を促進、紫外線によるカビや雑菌の繁殖を防ぐ効果も期待できます。
すでにご説明のとおり、種を蒔き水を与えた直後に木酢液とトウガラシの混合希釈液を噴霧します。
水やりは1週間後にもう一度、この際希釈液も噴霧しておきます。
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2週間ほどで発芽します。
発芽したら天気の良い日中は外に出し、なるべく日に当てるようにしましょう。夕方になったら屋内にしまってください。
冬の猫草栽培の解説は以上です。
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草の吐き戻しを防ぐために
最後に飼猫に猫草を与えるときの注意点を添えておきます。
猫草は当初は柔らかいですが、日が経過するうちに細く、固くなっていきます。それを与えると喉に引っかかるのか、後に食べた餌とともに吐き戻してしまうことがあります。
飼い主が猫草をむしって与えるときは、半分にちぎり、それをさらに半分にちぎった、4分の1の長さにしてあげましょう。
猫の口の横から差し入れてあげるとうまく飲み込め、吐き戻しを防ぐことができます。
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